長崎大学大学院教育学研究科(教職大学院)

教職大学院で学ぶメリット

教職大学院で学ぶメリットは、本学の特徴を含めて、以下の5つに大別できます。
教員としての自信がつく
教員としての自信がつく
 本大学院では、専任教員32名(令和7年度:実務家13名、研究者19名)のスタッフが中心となり、1学年28名の院生に対して、2名から4名の複数名による指導を行っています。大学院生は、附属学校での学校教育実践実習1及び2、公立学校での学校教育実践実習3~5を行うことで、学級経営、生徒指導、教育相談や授業実践に関する課題解決能力の向上を図ります。そして、学校教育実践研究や授業デザイン演習を通じて、実習での課題や日頃から悩んでいる教育上の課題について分析・論究することで、教員としての実践力を高めます。このような活動は、同僚である現職教員の院生、指導教員、実習校の教員等との日頃からの交流により、更に高められています。
 また、本大学院は留学生の入学も認めており、日本での教職を目指す学生が、切磋琢磨しています。現在求められているグローバル化への対応力の育成にも繋がり、本大学院の特徴の一つと言えます。
人脈は宝物
人脈は宝物
 本大学院の専任教員には、現職教員(長崎県より派遣)を始めとして、長崎県教育委員会の次長、教育センターの所長、公立学校の校長経験者がおり、豊富な教職・実務経験を有しています。また、毎週火曜日(3年プログラムは3年次の月・火曜日)に行われる実習では、学校現場で直接、現職教員から助言を得ることができます。このように、在学期間中から、県内の多くの教育関係者と交流ができることは、教員になった折りに心強いものです。
3年間で1つ免許が取得できるプログラム
3年間で1つ免許が取得できるプログラム
 本大学院には、本大学院の履修と併行して学部の授業科目を履修し、教育職員免許状を取得できる3年プログラムがあります。但し、取得できる免許状は1校種で、中学校及び高等学校の免許状においては、1教科・領域に限られます。また、特別支援学校教諭免許状(一種)の取得を希望者は、基礎免許状となる幼稚園、小学校、中学校、高等学校のいずれかの教育職員免許状(一種または二種)を有する、あるいは受験年度末までに取得見込みであることが条件です。3年間で第1種教員免許状と専修免許状が取得できる魅力あるプログラムです。
教科指導力の向上
教科指導力の向上
 本大学院の特色の一つである教科授業実践コースには、各教科の指導関連科目が合計25科目、課程認定外科目として教科の内容の研究と実践に関する科目が25科目用意されています。全国的に見てもこれだけ豊富に科目が開講されている大学院はありません。他のコースの学生でも受講が可能ですので、教科の指導力を高めたい方には、大きな魅力ではないでしょうか。
教員採用試験(出願予定の都道府県・政令都市の募集要項で必ず確認して下さい)
教員採用試験(出願予定の都道府県・政令都市の募集要項で必ず確認して下さい)
 教職大学院の在学者及び修了者が、長崎県の実施する教員採用選考試験で小学校、中学校及び養護教諭の志願区分で受験する場合、加点申請により、第1志望の校種において第1次試験に5点の加点を受けることができます。
教職大学院に進学を予定者、または教職大学院に在籍者が、長崎県の実施する教員採用選考試験に合格した場合、申請により、採用候補者の名簿登載期間を延長できる制度があります。
奨学金の返還免除制度による経済支援の充実化
 教員採用選考に合格して、大学院修了の翌年度から正規職員として在職すると大学院在学中に日本学生支援機構(JSPS)から貸与された奨学金(第一種奨学金奨学金)の「全額」が返済免除される制度が令和6年度から始まりました。(対象学校種は国公私立の小・中・義務教育学校、高等学校・中等教育学校、特別支援学校、幼保連携型認定こども園)。
研究奨励金
 本学では、標準修学期間の間、プラネタリーヘルスに関する研究を遂行すること及び修学を支援する資金の給付が受けられる「長崎大学プラネタリーヘルス研究奨励金制度」などの学内研究奨励金制度のほか、多数の学外研究奨励金を案内しています。

在学生・修了生からのメッセージ

増本 渚 先生
(子ども理解・特別支援教育実践コース[2年プログラム]令和5年度修了生、現 公立小学校教員)

自分の強みを築くために

 教師として経験を積み上げていくことで、少しずつ教師としての軸をもち、自分の言動や行動に自信をもつことができるようになりました。しかし、虐待や孤立など子どもたちの教育的ニーズが複雑で多様となり、今まで培ってきた経験を生かすことができず、自信のないまま援助する経験が増え、自分の教師としての力量のなさを痛感するようになりました。それと同時に「子ども達を上手く援助することができるようになりたい」「子ども一人ひとりの思いやSOSを受け止めることができるようになりたい」という強い思いをもつようになり、子ども理解・特別支援教育実践コースで学ぶことを決意しました。

 大学院では、学校心理学の心理教育的アセスメントに興味をもち、研究を行いました。研究を進める中で、子供を援助するためには、まずは援助者である教員が、自分自身の強みを確認することが重要であることに気づき、自分の興味や価値観を振り返るなどの自己分析や、大学教授の方々や院生の仲間達からのフィードバッグを受けることで、自分の性格や能力について深く見つめ直すことができました。

 自分の強みを見つけ、築いていくことは、教師としてのキャリアの中で重要な一歩だと思います。

 是非、大学院でその一歩を踏み出してみませんか。

平林 千奈満 先生
(学級経営・授業実践開発コース[2年プログラム]令和6年度修了生、現 公立小学校教員)

教職大学院でしかできない学び

 私は、本大学の小学校教育コースに在学していました。教職の専門性と実践力を備えた教員になりたいと考え、大学院進学を決意しました。

 大学院では、コースごとに専門性を高めることのできるカリキュラムが組まれており、講義や学校教育実践実習などを通して学びを深めることができます。また、ストレートマスター・現職教員学生の院生同士の対話や、研究者の先生方・実務家の先生方に学術的な理論を教えていただきながら共に学ぶことができることも魅力だと思います。実際、私は大学院の学びを通して、「技術的熟達者」から「省察的実践者」を目指したいと、教育観や授業観を問い直すこともできました。

 また、教職の専門性と実践力を高めるとともに、自分が研究したいことにじっくりと向き合う環境が整っていることも本大学院の魅力だと考えます。

 校種や教科、世代を超えた仲間とともに学び、「つながり」と「専門性」を高めることができます。ぜひ、長崎大学大学院教育学研究科で新たな一歩を踏み出してみてください。

松田 大輔 先生
(教科授業実践コース[3年プログラム]令和6年度修了生、現 私立高等学校教員)
ステップアップ!!

 私は、3年プログラムという形で高等学校の地理歴史科の免許を取得しながら、教科指導の専門性を高めるために教育学研究科に進学してきました。

 3年間という時間を大学院で過ごす中で、これまでイメージしてきた理想の授業の形を、より具体的に落とし込むことができるようになってきています。また、現職や管理職の先生方との出会いや他教科・他校種の仲間との交流を通じて、多面的・多角的な見方・考え方が身につき、私自身の教育観を深化することができました。

 今年度は、高等学校の社会科教育についての研究を行い、それをもとに授業づくりと授業実践にもチャレンジしていきたいと考えています。その中で、生徒の思考がスムーズに流れることができる授業を現場でも実践できるような教員を目指していきます。

 本研究科では、様々な実践を行う環境が整っており、自分のやりたいことに全力で取り組むことができます。ぜひ、「教科指導力を上げたい!」などの目的をもって本研究科への進学を目指してみてはどうでしょうか。

畑中 清二 先生
(管理職養成コース[1年プログラム]令和5年度修了生、現 公立特別支援学校教頭)
深い学びの1年間

 教育現場を少しの期間離れ、外側から見たり違う角度から見たりすることは、今の時代に必要な余白を生み出すことにつながる。1年間の学びは新たな教員人生のスタートとなったことを現場に戻って実感している。

 講義で学んだ特定の物事や事象・人物を否定的な観点でみる「クリティカル」な視点は、自身の凝り固まった考え方や従来のやり方だけで物事を見るのではなく、様々な角度から見ることでより良い解決方法につながるヒントになり、昨今の課題である教職員の働き方にも生かせるのではないかと感じた。

 ミドル層を生かした管理職と教職員に働きかけるミドルアップダウンマネジメントは組織を活性化し、課題解決力を高めることになる。これからの学校運営には必要となっていくことを学んだ。

 大学院の講義は、これまで実践してきた指導法等の確認や振り返り、新たな知識の吸収の場として有意義な時間であり、小学校や中学校、高校や特別支援学校の現役の先生方との交流を重ねることで、教育の視野を広げる絶好の機会であった。

 長い教員生活の中のわずかな1年間、されど深く意味ある1年間。ぜひ、このような学びの機会を手に入れるために大学院への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。


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